ヴィークルエンド/うえお久光
- 2010/09/11
- 02:08
うえお久光の小説「ヴィークルエンド」のレビュー。
おい!この本メチャクチャ面白いよ!「紫色のクオリア」のレビューで「うえお久光の本が好きなのかどうか判断付かない」とか書いて悪かった。うえお久光大好き。今後はこの人の本が出たら必ず買う。
閑話休題。どんな話かというと、男の子たちが駆けっこする話。女の子も走るんだけど、まあ男の子の話だ。
駆けっこの中で、走る理由だとか、走る目的だとかを語ったり考えたりする。
フリチンで始まってフリチンに終わる、男の子の話。
もう少し詳しくあらすじを書くと、
近未来、人間はみんな「感情が昂ぶると感情を全て熱として感じる」とか「感情を匂いとして感じる」といった特殊な障害「共感覚障害」を持って生まれてくる。
そして症状を抑えるために「サプリ」という感覚制御薬物を使うことが子供の間では普通になっているという、そんな時代。
子供達の間ではあるレースが流行っている。「ヴィークル」と呼ばれる特殊な調合をしたサプリを使って行われる「駆けっこ」だ。それは自分の体をあたかも乗り物(ヴィークル)であるかのように「操縦」できるという薬で、そいつで体を制御すれば、生身でジェットコースターのコースを走ることもできる。
コースは街の中。大金が賭けられ、人死にすら出る危険なレースは当然非合法で、週末にゲリラ的に開催され、「ヴィークルエンド」と呼ばれていた。
そんなヴィークルエンドに、主人公のカナミくんが飛び入り参加するところから話は始まる。
デビュー戦を華々しく飾るべく、ビルからビルへ飛び移り、目指すはかつて2人のライダーを殺した危険なコース。そこに唐突に現われる謎の少女、彼女が問う。「何故命をかけられるのか?」
そんな感じの、疾走青春SFストーリー。
近未来SFと暴走気味の青春モノがくっついたような話で、なんとなく「AKIRA」とか「時計仕掛けのオレンジ」を彷彿とさせる。物語の中心にあるのは「ヴィークルエンド」という競技で、その辺はスポーツもののようでもある(どこか求道的なカナミくんの姿勢もスポ根っぽい。ヒネてるけど)。
共感覚障害の設定なんかは、前作「紫色のクオリア」で扱った「クオリア」というテーマを発展させた感じだ。というか、あれは習作でこっちが本番、というぐらい、こっちの方が面白かった。世界観とキャラクターとテーマがピッタリ噛み合って、物語を心地良く駆動させている。
おい!この本メチャクチャ面白いよ!「紫色のクオリア」のレビューで「うえお久光の本が好きなのかどうか判断付かない」とか書いて悪かった。うえお久光大好き。今後はこの人の本が出たら必ず買う。
閑話休題。どんな話かというと、男の子たちが駆けっこする話。女の子も走るんだけど、まあ男の子の話だ。
駆けっこの中で、走る理由だとか、走る目的だとかを語ったり考えたりする。
フリチンで始まってフリチンに終わる、男の子の話。
もう少し詳しくあらすじを書くと、
近未来、人間はみんな「感情が昂ぶると感情を全て熱として感じる」とか「感情を匂いとして感じる」といった特殊な障害「共感覚障害」を持って生まれてくる。
そして症状を抑えるために「サプリ」という感覚制御薬物を使うことが子供の間では普通になっているという、そんな時代。
子供達の間ではあるレースが流行っている。「ヴィークル」と呼ばれる特殊な調合をしたサプリを使って行われる「駆けっこ」だ。それは自分の体をあたかも乗り物(ヴィークル)であるかのように「操縦」できるという薬で、そいつで体を制御すれば、生身でジェットコースターのコースを走ることもできる。
コースは街の中。大金が賭けられ、人死にすら出る危険なレースは当然非合法で、週末にゲリラ的に開催され、「ヴィークルエンド」と呼ばれていた。
そんなヴィークルエンドに、主人公のカナミくんが飛び入り参加するところから話は始まる。
デビュー戦を華々しく飾るべく、ビルからビルへ飛び移り、目指すはかつて2人のライダーを殺した危険なコース。そこに唐突に現われる謎の少女、彼女が問う。「何故命をかけられるのか?」
そんな感じの、疾走青春SFストーリー。
近未来SFと暴走気味の青春モノがくっついたような話で、なんとなく「AKIRA」とか「時計仕掛けのオレンジ」を彷彿とさせる。物語の中心にあるのは「ヴィークルエンド」という競技で、その辺はスポーツもののようでもある(どこか求道的なカナミくんの姿勢もスポ根っぽい。ヒネてるけど)。
共感覚障害の設定なんかは、前作「紫色のクオリア」で扱った「クオリア」というテーマを発展させた感じだ。というか、あれは習作でこっちが本番、というぐらい、こっちの方が面白かった。世界観とキャラクターとテーマがピッタリ噛み合って、物語を心地良く駆動させている。