乙女遊戯水滸伝
- 2010/08/22
- 14:07
「水滸伝」の登場人物が何故か全員美少女。そんなカードゲーム「乙女遊戯水滸伝」のレビュー。
プレイ人数 2~6人
2人用のルールが2つと、多人数対戦用のルールが1つ付いている。
プレイ時間 30分~1時間※
どのゲームも実プレイ時間は30分~1時間程度の印象があるのだが、デッキ構築対戦ゲームを本気で遊ぼうとすると、ゲーム準備段階の人物選びに際限なく時間がかかる事に。
「乙女絵巻水滸伝」という、「水滸伝の登場人物をみんな美少女化して紹介してみました」というイラスト本からの派生企画なため、148枚も1種1枚の人物カードがあって、しかもどれも美麗だ。参加イラストレーターも実に70人に上る。
せっかくルールが3つあるので、ルール別にレビューしてみよう。
+ + + + + + + + +
デッキ構築型対戦
このルールがこのゲームのメインの遊び方だろう。TCG(トレーディングカードゲーム)のように、遊ぶ前にカードを選んでデッキを作ってから対戦するルールだ。
土地カードと人物カードをランダムに半分ずつ配り(土地は全部2種ずつあるので、それを半分に分けても良い)、そこから40人の人物と星10個分の土地を選び出してデッキを作る。
そしてそのデッキからカードを引いて、手札から人物を登用し、その人物を放浪させて場に更に強力な人物を呼び出し、そしてそいつらが土地を奪ったり土地を守ったりするという、いわゆる対戦型のTCG的なゲームだ。
キャラクターにはそれぞれ、4種ある「属性」と属性別の「登用コスト」、「攻撃力」「防御力」「智力」、更に「得意能力」と「特殊能力」が設定されている。
更に土地にも特性が色々あり、これらの要素が相互に影響しながら結構複雑に絡み合っている。この辺のコストの兼ね合いやらカードコンボの可能性を考えながら、72枚のなかから40枚を選りすぐる。
当然この作業は、このゲームにかなり慣れていないと難しいし時間も取られる。すぐに遊び始められないので、ここがこのルールの一番難しいところかも知れない。あれやこれや考える、面白い過程でもあるのだが。
1枚のカードに多岐にわたる要素がある他、基本的なルールが意外と複雑で、細かい処理が結構ある(同じ防御するのでも、迎撃と籠城では戦闘結果の処理が異なったり)。
同じTCGライクなゲームである「クトゥルフ神話カードゲーム」と比べても、かなり複雑だ。
ルールやカードの把握しづらさから考えると、このゲームを初見の人に「じゃあランダムに配るからそこから40枚選んで」というのは結構厳しいかもしれない。
この遊び方は、TCG慣れしたプレイヤー同士、あるいはこのゲームに慣れたプレイヤー同士で対戦するのに良いんじゃなかろうか。
勝利の方法が、「敵の土地を全て壊す」「一定数敵将を倒す」「敵のデッキを枯渇させる」の3種類あって、それぞれを狙ったコンセプトデッキもちゃんと組めるようになっている(最初に人物を半分こして、そこからデッキを組むので、来るカード次第ではあるのだが)。
この一箱だけで完結していて、手軽にTCGのような対戦ゲームができるという、なかなか面白いルールだ。
72枚の中から40枚を選ぶのでデッキ構築の自由度がかなり高く、また、全て効果や能力の違う148枚のカードをランダムに半分こにしてデッキを組む、というのも独自のポイントだ。
ランダム故に、カード運次第で全然勝負にならない可能性もあるかもしれないのだが。
どうせTCG的に遊ぶなら、2箱用意してお互い148枚のカードから自由に選んでデッキを作る、という遊び方も面白いかもしれない。

つづきます。
プレイ人数 2~6人
2人用のルールが2つと、多人数対戦用のルールが1つ付いている。
プレイ時間 30分~1時間※
どのゲームも実プレイ時間は30分~1時間程度の印象があるのだが、デッキ構築対戦ゲームを本気で遊ぼうとすると、ゲーム準備段階の人物選びに際限なく時間がかかる事に。
「乙女絵巻水滸伝」という、「水滸伝の登場人物をみんな美少女化して紹介してみました」というイラスト本からの派生企画なため、148枚も1種1枚の人物カードがあって、しかもどれも美麗だ。参加イラストレーターも実に70人に上る。
せっかくルールが3つあるので、ルール別にレビューしてみよう。
+ + + + + + + + +
デッキ構築型対戦
このルールがこのゲームのメインの遊び方だろう。TCG(トレーディングカードゲーム)のように、遊ぶ前にカードを選んでデッキを作ってから対戦するルールだ。
土地カードと人物カードをランダムに半分ずつ配り(土地は全部2種ずつあるので、それを半分に分けても良い)、そこから40人の人物と星10個分の土地を選び出してデッキを作る。
そしてそのデッキからカードを引いて、手札から人物を登用し、その人物を放浪させて場に更に強力な人物を呼び出し、そしてそいつらが土地を奪ったり土地を守ったりするという、いわゆる対戦型のTCG的なゲームだ。
キャラクターにはそれぞれ、4種ある「属性」と属性別の「登用コスト」、「攻撃力」「防御力」「智力」、更に「得意能力」と「特殊能力」が設定されている。
更に土地にも特性が色々あり、これらの要素が相互に影響しながら結構複雑に絡み合っている。この辺のコストの兼ね合いやらカードコンボの可能性を考えながら、72枚のなかから40枚を選りすぐる。
当然この作業は、このゲームにかなり慣れていないと難しいし時間も取られる。すぐに遊び始められないので、ここがこのルールの一番難しいところかも知れない。あれやこれや考える、面白い過程でもあるのだが。
1枚のカードに多岐にわたる要素がある他、基本的なルールが意外と複雑で、細かい処理が結構ある(同じ防御するのでも、迎撃と籠城では戦闘結果の処理が異なったり)。
同じTCGライクなゲームである「クトゥルフ神話カードゲーム」と比べても、かなり複雑だ。
ルールやカードの把握しづらさから考えると、このゲームを初見の人に「じゃあランダムに配るからそこから40枚選んで」というのは結構厳しいかもしれない。
この遊び方は、TCG慣れしたプレイヤー同士、あるいはこのゲームに慣れたプレイヤー同士で対戦するのに良いんじゃなかろうか。
勝利の方法が、「敵の土地を全て壊す」「一定数敵将を倒す」「敵のデッキを枯渇させる」の3種類あって、それぞれを狙ったコンセプトデッキもちゃんと組めるようになっている(最初に人物を半分こして、そこからデッキを組むので、来るカード次第ではあるのだが)。
この一箱だけで完結していて、手軽にTCGのような対戦ゲームができるという、なかなか面白いルールだ。
72枚の中から40枚を選ぶのでデッキ構築の自由度がかなり高く、また、全て効果や能力の違う148枚のカードをランダムに半分こにしてデッキを組む、というのも独自のポイントだ。
ランダム故に、カード運次第で全然勝負にならない可能性もあるかもしれないのだが。
どうせTCG的に遊ぶなら、2箱用意してお互い148枚のカードから自由に選んでデッキを作る、という遊び方も面白いかもしれない。

つづきます。
山札共有型対戦
これはキャラクターと土地の山札を共有して対戦するため、上記の「選ぶ」という過程がない。また、キャラクターの特殊能力についても無視することになっている。
それ以外の、手札から人物を登用し、その人物を放浪させて場に更に強力な人物を呼び出し、そしてそいつらが土地を奪ったり土地を守ったりする、という部分は変わらない。
さしずめ、デッキ構築対戦に慣れるための簡易版ルールといった趣だ。結構楽しい。
デッキ構築対戦よりも引き運にかなり左右されるところがあるし、特殊能力を無視するせいで、一部キャラクターの登用コストと性能がアンバランスなものになってしまうのが難だが。
山札共有対戦ルールは結構あっさり終わる。とりあえずこれで遊んで少しずつカードとルールを把握しながらゲームに慣れて、デッキ構築対戦ルールで遊ぶ、という流れがいいかもしれない。
+ + + + + + + + +
多人数参加ゲーム
これは2~6人まで遊べて、一番簡単なルール。デッキ構築対戦や山札共有対戦とは全く異なる別なゲームだ。
プレイヤーを指定して攻撃して、キャラクターの数字とサイコロの数字を合わせて戦って、土地を取り合う。戦闘時に更にキャラクターカードを使って、サイコロを振り直したり数値に+したりもできる。ダイス運勝負だけど、戦略的な要素も無いことは無いという感じ。
戦いは1対1で行うのだが、戦闘していないプレイヤーもカードを使ってその戦いに介入できる。また、その介入の効果が結構でっかいため、「出る杭は打たれる」というタイプの、ちょっとダラダラしたゲーム展開になりがちだ。この辺は好みが分かれるポイントかも知れない。
メインのデッキ構築対戦はじっくり遊ぶゲームで、残り2つのルールはぱぱっと遊べるものになっている。特にデッキ構築対戦は飽きずに何度も遊べそうだ。
説明書の文章に文学的なあいまいさがあって、説明書としてはちょっと読みづらいのだが、この「ハーヴェスト出版」というメーカーはこれが初のアナログゲームらしいので、この部分は公式サイトのFAQの充実と、今後の成長に期待したい。
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乙女遊戯水滸伝のリファレンスシートを作った
これはキャラクターと土地の山札を共有して対戦するため、上記の「選ぶ」という過程がない。また、キャラクターの特殊能力についても無視することになっている。
それ以外の、手札から人物を登用し、その人物を放浪させて場に更に強力な人物を呼び出し、そしてそいつらが土地を奪ったり土地を守ったりする、という部分は変わらない。
さしずめ、デッキ構築対戦に慣れるための簡易版ルールといった趣だ。結構楽しい。
デッキ構築対戦よりも引き運にかなり左右されるところがあるし、特殊能力を無視するせいで、一部キャラクターの登用コストと性能がアンバランスなものになってしまうのが難だが。
山札共有対戦ルールは結構あっさり終わる。とりあえずこれで遊んで少しずつカードとルールを把握しながらゲームに慣れて、デッキ構築対戦ルールで遊ぶ、という流れがいいかもしれない。
+ + + + + + + + +
多人数参加ゲーム
これは2~6人まで遊べて、一番簡単なルール。デッキ構築対戦や山札共有対戦とは全く異なる別なゲームだ。
プレイヤーを指定して攻撃して、キャラクターの数字とサイコロの数字を合わせて戦って、土地を取り合う。戦闘時に更にキャラクターカードを使って、サイコロを振り直したり数値に+したりもできる。ダイス運勝負だけど、戦略的な要素も無いことは無いという感じ。
戦いは1対1で行うのだが、戦闘していないプレイヤーもカードを使ってその戦いに介入できる。また、その介入の効果が結構でっかいため、「出る杭は打たれる」というタイプの、ちょっとダラダラしたゲーム展開になりがちだ。この辺は好みが分かれるポイントかも知れない。
メインのデッキ構築対戦はじっくり遊ぶゲームで、残り2つのルールはぱぱっと遊べるものになっている。特にデッキ構築対戦は飽きずに何度も遊べそうだ。
説明書の文章に文学的なあいまいさがあって、説明書としてはちょっと読みづらいのだが、この「ハーヴェスト出版」というメーカーはこれが初のアナログゲームらしいので、この部分は公式サイトのFAQの充実と、今後の成長に期待したい。
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