ばるば★ろっさ
- 2010/06/28
- 22:52
アークライトゲームズのデッキ型カードゲーム「ばるば★ろっさ」のレビュー。
プレイ人数 2-5人
プレイ時間 1時間程度
なにをどうしていいのかよくわからない初回プレイはもっと時間がかかるかも。
たんとくおーれ、くにとりっ!に続く、アークライトの3つ目のドミニオンライクゲームだ。
公式サイトにFAQがアップされているので、とりあえず買った人は印刷して一緒に箱に入れておくといいかも。
+ + + + + + + + + + + +
第二次大戦中の、ドイツのソビエト侵攻作戦「バルバロッサ作戦」を題材にしたゲームで、プレイヤーはドイツ軍の将軍で、それぞれ軍団を率いてソビエトに侵攻していく、というような設定のゲーム。
でも、兵隊も将軍も総統も、なぜかみんな美少女。そしてなぜかみんな薄着。
今までのドミニオンライクゲームと同じく基本的にはドミニオンなんだけど、そこにプラスアルファがある感じ。ただこのゲームの場合ドミニオンから無くしているような部分もあって、感触的に「ドミニオン」とは違うのはもちろん、「たんとくおーれ」や「くにとりっ!」とも違う物になっている。
このゲームにはドミニオンには無い第三の数字、「戦闘ポイント」というものが設定されていて、勝利点カードにあたるカードを取るためには、お金に当たるポイントではなくその戦闘ポイントを使う。
「くにとりっ!」に似ているが、くにとりっ!と違ってお金では勝利点カードは絶対買えない。
勝利点以外のカードを買うためのリソースと、勝利点のカードを買うためのリソースがきっちり区別されているのだ。また、勝利点カードはデッキの中には入らず、全て獲得したプレイヤーの前に並ぶという点も違う。
戦闘ポイントを持ったカードの大半は自分の目の前に「配備」して使用するという点も「くにとりっ!」に似ているが、配備後はアクションポイントを使用せずにそのカードを使うことが出来る。
また、ソ連の都市(一種1枚で、都市によって戦闘力が違う)を攻略する際には「イベントカード」の山札を引き、カード次第で都市の戦闘力が0~6(軍の配置次第ではそれ以上)上がる。
一種一枚の都市の出る順番とイベントカードとの組み合わせにより、都市を取るために必要な戦闘力が一定の幅でランダムにバラけるのだ。
そして都市を勝ち取った際には、都市を守護していたイベントカードを嫌がらせとして他のプレイヤーの場に配置することができる。
配備カードという複数種のカードを束にした山がある事、軍団や勝利点を自分の目の前に出しておく事なんかも含めて、「たんとくおーれ」から引き継いで更に深化させた感じの要素だ。
以上のことから、ドミニオンとは随分違う感じになったのがなんとなくおわかりいただけただろうか。
言うなれば、たんとくおーれ、くにとりっ!、ばるば★ろっさ、と、順番に少しずつドミニオンから離れていった風情。
+ + + + + + + + + + + +
遊んでみた感じが本当に独特。軍団は配備してしまえば邪魔にならないという特性はあるものの、「くにとりっ」のようなプラスアクションの元手もなく、どのくらいのバランスで補給と軍団のカードを買っていけばいいのかの読みがまだよくわからない。
イベントカードの「泥濘」と「冬将軍」の厄介さにヒイヒイ言ったり、戦車を出すのに腐心するうちに軍全体が立ち行かなくなったり、有能な将軍が総統の逆鱗に触れて更迭されたり、スターリングラードで軍団が消耗し尽して停滞したり、ちょっと捻くれたセンスで、独ソ戦的な雰囲気がよく出ている。
びっくりしたのは準備段階。勝利点とイベントカード以外のカードの中からランダムに一山抜いてプレイを開始する。たとえ配備カードが丸々消えたり補給カードの山が1個ぐらい消えたりしても、ゲームが成立してしまうのだ。
案外ドミニオンの真似をして、「王国カード」的なカードの中から10種類選んで遊ぶ、とかいう遊び方でも遊べるゲームなのかもしれない。
1つ本当に参ったのは、手番中の処理の複雑さ。配備カードの数値を計算したり軍団をタップしたりアンタップしたりしてるうちにだんだんわけがわからなくなってくる(自分の場に出すときとタップして使うときで効果違ったり、タップ後更に捨て札にしたり場に戻すことで更に戦闘力を発生させたり)。「たんとくおーれ」にも「くにとりっ!」にもあった傾向だが、これは更に拍車がかかっている。
イラストを前面に押し出したカードデザインも結構クセモノで、カードテキストがやたら小さかったり、パッと見物凄く把握しづらい。特に財宝カードに当たる補給カードは酷い。まあ、絵柄で覚えればいいんだろうけれども。
どうも不満ばかり並べてしまったんだけど、このゲームは結構好きだ。拡張版の登場にも期待している。今度はソ連軍プレイができるやつとか。あ、それはもうバルバロッサ作戦じゃないか。
三作目に来て、洗練とは程遠い奇っ怪な進化を遂げてしまった感じのゲームだが、そこが個性と魅力にもなっている。「たんとくおーれ」にも「くにとりっ!」にも手を出してしまったのなら、毒喰わば皿まで、このゲームでも遊んでみてほしい。

ビジュアル面は「不謹慎の塊」という感じで、僕は結構好きなのだが、今までのアークライトのドミニオンライクゲームの中でも、一番好みが分かれるかも知れない。
基本的にパンツ見えてる女の子の服装(そしてやたらと高いガーターベルト率)、ヒトラーを美少女化したキャラクター、プロモーションカードの「アドルフたん」とか、気を抜くとうっかりナチス党旗に見えてしまうカード裏とか、なんか色んな方面に敵を作ってしまいそうな感じである。
+ + + + + + + + + + + +
このゲームの配備カードで、初回生産分には「クライストたん」、アークライト通販かR&Rステーションかホビーステーション店頭で買うと「アドルフたん」が、雑誌「MCあくしず」の17号には「ルントシュテットたん」が付いてくる。
どれも無いよりはあった方がたぶん面白いカードなので、買う場合はその辺を考慮することをお奨めする。
逆に、たまにはそれら3つを抜いて遊んでみるのもまた一興。どのカードも便利で強力すぎだしな。
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「ドミニオン」と「たんとくおーれ」と「くにとりっ!」と「ばるば★ろっさ」
プレイ人数 2-5人
プレイ時間 1時間程度
なにをどうしていいのかよくわからない初回プレイはもっと時間がかかるかも。
たんとくおーれ、くにとりっ!に続く、アークライトの3つ目のドミニオンライクゲームだ。
公式サイトにFAQがアップされているので、とりあえず買った人は印刷して一緒に箱に入れておくといいかも。
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第二次大戦中の、ドイツのソビエト侵攻作戦「バルバロッサ作戦」を題材にしたゲームで、プレイヤーはドイツ軍の将軍で、それぞれ軍団を率いてソビエトに侵攻していく、というような設定のゲーム。
でも、兵隊も将軍も総統も、なぜかみんな美少女。そしてなぜかみんな薄着。
今までのドミニオンライクゲームと同じく基本的にはドミニオンなんだけど、そこにプラスアルファがある感じ。ただこのゲームの場合ドミニオンから無くしているような部分もあって、感触的に「ドミニオン」とは違うのはもちろん、「たんとくおーれ」や「くにとりっ!」とも違う物になっている。
このゲームにはドミニオンには無い第三の数字、「戦闘ポイント」というものが設定されていて、勝利点カードにあたるカードを取るためには、お金に当たるポイントではなくその戦闘ポイントを使う。
「くにとりっ!」に似ているが、くにとりっ!と違ってお金では勝利点カードは絶対買えない。
勝利点以外のカードを買うためのリソースと、勝利点のカードを買うためのリソースがきっちり区別されているのだ。また、勝利点カードはデッキの中には入らず、全て獲得したプレイヤーの前に並ぶという点も違う。
戦闘ポイントを持ったカードの大半は自分の目の前に「配備」して使用するという点も「くにとりっ!」に似ているが、配備後はアクションポイントを使用せずにそのカードを使うことが出来る。
また、ソ連の都市(一種1枚で、都市によって戦闘力が違う)を攻略する際には「イベントカード」の山札を引き、カード次第で都市の戦闘力が0~6(軍の配置次第ではそれ以上)上がる。
一種一枚の都市の出る順番とイベントカードとの組み合わせにより、都市を取るために必要な戦闘力が一定の幅でランダムにバラけるのだ。
そして都市を勝ち取った際には、都市を守護していたイベントカードを嫌がらせとして他のプレイヤーの場に配置することができる。
配備カードという複数種のカードを束にした山がある事、軍団や勝利点を自分の目の前に出しておく事なんかも含めて、「たんとくおーれ」から引き継いで更に深化させた感じの要素だ。
以上のことから、ドミニオンとは随分違う感じになったのがなんとなくおわかりいただけただろうか。
言うなれば、たんとくおーれ、くにとりっ!、ばるば★ろっさ、と、順番に少しずつドミニオンから離れていった風情。
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遊んでみた感じが本当に独特。軍団は配備してしまえば邪魔にならないという特性はあるものの、「くにとりっ」のようなプラスアクションの元手もなく、どのくらいのバランスで補給と軍団のカードを買っていけばいいのかの読みがまだよくわからない。
イベントカードの「泥濘」と「冬将軍」の厄介さにヒイヒイ言ったり、戦車を出すのに腐心するうちに軍全体が立ち行かなくなったり、有能な将軍が総統の逆鱗に触れて更迭されたり、スターリングラードで軍団が消耗し尽して停滞したり、ちょっと捻くれたセンスで、独ソ戦的な雰囲気がよく出ている。
びっくりしたのは準備段階。勝利点とイベントカード以外のカードの中からランダムに一山抜いてプレイを開始する。たとえ配備カードが丸々消えたり補給カードの山が1個ぐらい消えたりしても、ゲームが成立してしまうのだ。
案外ドミニオンの真似をして、「王国カード」的なカードの中から10種類選んで遊ぶ、とかいう遊び方でも遊べるゲームなのかもしれない。
1つ本当に参ったのは、手番中の処理の複雑さ。配備カードの数値を計算したり軍団をタップしたりアンタップしたりしてるうちにだんだんわけがわからなくなってくる(自分の場に出すときとタップして使うときで効果違ったり、タップ後更に捨て札にしたり場に戻すことで更に戦闘力を発生させたり)。「たんとくおーれ」にも「くにとりっ!」にもあった傾向だが、これは更に拍車がかかっている。
イラストを前面に押し出したカードデザインも結構クセモノで、カードテキストがやたら小さかったり、パッと見物凄く把握しづらい。特に財宝カードに当たる補給カードは酷い。まあ、絵柄で覚えればいいんだろうけれども。
どうも不満ばかり並べてしまったんだけど、このゲームは結構好きだ。拡張版の登場にも期待している。今度はソ連軍プレイができるやつとか。あ、それはもうバルバロッサ作戦じゃないか。
三作目に来て、洗練とは程遠い奇っ怪な進化を遂げてしまった感じのゲームだが、そこが個性と魅力にもなっている。「たんとくおーれ」にも「くにとりっ!」にも手を出してしまったのなら、毒喰わば皿まで、このゲームでも遊んでみてほしい。

ビジュアル面は「不謹慎の塊」という感じで、僕は結構好きなのだが、今までのアークライトのドミニオンライクゲームの中でも、一番好みが分かれるかも知れない。
基本的にパンツ見えてる女の子の服装(そしてやたらと高いガーターベルト率)、ヒトラーを美少女化したキャラクター、プロモーションカードの「アドルフたん」とか、気を抜くとうっかりナチス党旗に見えてしまうカード裏とか、なんか色んな方面に敵を作ってしまいそうな感じである。
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このゲームの配備カードで、初回生産分には「クライストたん」、アークライト通販かR&Rステーションかホビーステーション店頭で買うと「アドルフたん」が、雑誌「MCあくしず」の17号には「ルントシュテットたん」が付いてくる。
どれも無いよりはあった方がたぶん面白いカードなので、買う場合はその辺を考慮することをお奨めする。
逆に、たまにはそれら3つを抜いて遊んでみるのもまた一興。どのカードも便利で強力すぎだしな。
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