クトゥルフ神話カードゲーム 完全日本語版 スターターセット
- 2009/09/29
- 17:36
太古の邪神が大暴れして人間が死んだり狂ったりするけど頑張って秘密を探るんだぜ!という愉快なカードゲーム「クトゥルフ神話カードゲーム」のレビュー。
プレイ人数 2人用
プレイ時間 1時間ぐらい
基本的にはTCGっぽいゲームなので、慣れればもっと早く終わりそう。
H・P・ラヴクラフトとそのフォロワー達の作ったホラー小説大系「クトゥルフ神話(あるいはクトゥルー神話)」シリーズの世界を舞台にしたカードゲーム。クトゥルフ神話を知らない人でも問題なく遊べるゲームだが、クトゥルー、ハスター、ヨグ=ソトースといったお馴染みの邪神様の他、ティンダロスの猟犬、深きものども、狂気の画家ピックマン等の有名キャラクターも多数カードとして収録されているので、クトゥルフ神話シリーズファンならより一層楽しめるだろう。
基になったのは同名のトレーディングカードゲーム。
これはそのTCGの「ランダムでカード封入」という売り方をやめて、販売するカードセットの内容は全て固定にして、ルールやカードテキストも見直して再構成したものだそうだ。
「TCG(トレーディングカードゲーム)」ではなく「LCG(リビングカードゲーム)」と呼ぶそうだ。
版元のFFG社が出したLCGに関するアナウンスを翻訳しているブログがあったので参考にされたし。
Backyard of Universe内 トレーディングカードゲームではない!ライブカードゲームだ!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
それではゲームの説明。
ゲームの場には常に「ストーリーカード」というものが出ていて、両プレイヤーは召喚したキャラクターカードやサポートカードを使ってそのストーリーに参加する。ストーリーでキャラクター達は「恐怖」「戦闘」「秘儀」「探索」の4つの対決を経た後に最終対決をし、ストーリーでの今回の勝者を決める。先に最後の対決に5回勝利した方がそのストーリーを手に入れ、ストーリーカードを3枚先取した方がゲームの勝者になる。
そしてこのゲームには7つの「勢力」がある(MTGの「色」に当るようなもの)。主に人間で構成された勢力の、「ミスカトニック大学」「政府機関」「シンジケート」、モンスターや邪神やその信者で構成された「クトゥルー」「ハスター」「シュブ=ニグラス」「ヨグ=ソトース」の7つだ。
両プレイヤーはこの7つの勢力の中から2つの勢力を選び、それに「中立」勢力のカードを足して、自分のデッキとする。
人間側勢力は往々にして「恐怖」の対決に弱く、狂気に陥りやすい。しかし邪神側の勢力は「探索」するものが殆どいないため、「探索」の対決まで辿り着ければ人間側は探索分の勝利ボーナスでストーリーを勝ち取ることが容易になる。
大ざっぱに特徴を解説するとこんな感じだ。
人間と邪神の1個ずつの勢力でバランス良い構成にするか、邪神勢力2つで探索者を滅ぼし尽すか、人間勢力2つの探索ボーナスでスピード勝利を目指すか。
人間と邪神の1勢力ずつで組むのが一番無難そうだが、人間勢力と邪神勢力の強力なカードは同じ場では共存できないので、使い所が結構難しい組み合わせだ。
カードは召喚されて場に出てくる他に、召喚の為のリソースとしても使用する。ただし一度リソースにしてしまったカードは特別効果でもない限り普通のカードには戻せないので、今来ている手札のうちのどれをリソースにするかという選択が重要になってくる。
プレイヤーは交互に自分のターンを実行し、各ターンに一度ストーリーへの参加ができる。大概の場合自分のターンと相手のターンに一度ずつストーリーへ参加するのだが、一度参加させたキャラクターは自分の次のターンが来るまでストーリーに参加できない。
自分のターンと相手のターンの両方でストーリーに勝利できるだけのキャラクターをいかに相手より早く揃えるか、というのも重要だ。
「スターターセット」ではあるが、これ単品で2人用カードゲームとして遊んでもなかなか面白い。
勢力が全部で7つあるので色々な組み合わせを試せるし、前述の「どれをリソースにするか」という選択によって、同じデッキ構成でもゲームの展開は大きく変わってくる。繰り返しプレイにも充分耐えうるゲーム内容だといえるだろう。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
最後に、TCGのようにデッキを組んで遊ぶタイプの遊び方も書いてあったのでそれも解説しておく。
1つのデッキは最低50枚で構成し、同種のカードは最大3枚まで入れられる。それ以外に制限はなく、1勢力のみや3勢力以上でデッキを組むことも可能だ。
ただ、このスターターセットの各勢力20枚ずつしか無い構成ではデッキの組みようが殆ど無いので、デッキを組むような遊び方は「アサイラム・パック」と呼ばれる追加カードセットの発売待ちだ。
またデッキを組む場合は、いきなり対戦相手にドカドカッとカードを渡して「じゃあデッキ組んで」というのは現実的ではないので、恐らく対戦相手もこのゲームを持っていて、家でデッキを組んでくることが前提の、ボードゲームではなくTCG的な遊び方になる。
とりあえずこのスターターセットで布教して、付き合ってくれそうな友達を探してみようかな。

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基になったのは同名のトレーディングカードゲーム。
これはそのTCGの「ランダムでカード封入」という売り方をやめて、販売するカードセットの内容は全て固定にして、ルールやカードテキストも見直して再構成したものだそうだ。
「TCG(トレーディングカードゲーム)」ではなく「LCG(リビングカードゲーム)」と呼ぶそうだ。
版元のFFG社が出したLCGに関するアナウンスを翻訳しているブログがあったので参考にされたし。
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それではゲームの説明。
ゲームの場には常に「ストーリーカード」というものが出ていて、両プレイヤーは召喚したキャラクターカードやサポートカードを使ってそのストーリーに参加する。ストーリーでキャラクター達は「恐怖」「戦闘」「秘儀」「探索」の4つの対決を経た後に最終対決をし、ストーリーでの今回の勝者を決める。先に最後の対決に5回勝利した方がそのストーリーを手に入れ、ストーリーカードを3枚先取した方がゲームの勝者になる。
そしてこのゲームには7つの「勢力」がある(MTGの「色」に当るようなもの)。主に人間で構成された勢力の、「ミスカトニック大学」「政府機関」「シンジケート」、モンスターや邪神やその信者で構成された「クトゥルー」「ハスター」「シュブ=ニグラス」「ヨグ=ソトース」の7つだ。
両プレイヤーはこの7つの勢力の中から2つの勢力を選び、それに「中立」勢力のカードを足して、自分のデッキとする。
人間側勢力は往々にして「恐怖」の対決に弱く、狂気に陥りやすい。しかし邪神側の勢力は「探索」するものが殆どいないため、「探索」の対決まで辿り着ければ人間側は探索分の勝利ボーナスでストーリーを勝ち取ることが容易になる。
大ざっぱに特徴を解説するとこんな感じだ。
人間と邪神の1個ずつの勢力でバランス良い構成にするか、邪神勢力2つで探索者を滅ぼし尽すか、人間勢力2つの探索ボーナスでスピード勝利を目指すか。
人間と邪神の1勢力ずつで組むのが一番無難そうだが、人間勢力と邪神勢力の強力なカードは同じ場では共存できないので、使い所が結構難しい組み合わせだ。
カードは召喚されて場に出てくる他に、召喚の為のリソースとしても使用する。ただし一度リソースにしてしまったカードは特別効果でもない限り普通のカードには戻せないので、今来ている手札のうちのどれをリソースにするかという選択が重要になってくる。
プレイヤーは交互に自分のターンを実行し、各ターンに一度ストーリーへの参加ができる。大概の場合自分のターンと相手のターンに一度ずつストーリーへ参加するのだが、一度参加させたキャラクターは自分の次のターンが来るまでストーリーに参加できない。
自分のターンと相手のターンの両方でストーリーに勝利できるだけのキャラクターをいかに相手より早く揃えるか、というのも重要だ。
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1つのデッキは最低50枚で構成し、同種のカードは最大3枚まで入れられる。それ以外に制限はなく、1勢力のみや3勢力以上でデッキを組むことも可能だ。
ただ、このスターターセットの各勢力20枚ずつしか無い構成ではデッキの組みようが殆ど無いので、デッキを組むような遊び方は「アサイラム・パック」と呼ばれる追加カードセットの発売待ちだ。
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