後遺症ラジオ/中山 昌亮
- 2013/07/15
- 22:15
中山昌亮のホラー漫画「後遺症ラジオ」のレビュー。講談社の季刊漫画誌「ネメシス」に連載中で、単行本は現在1巻まで。短編ホラー漫画「不安の種(全3巻)」と「不安の種+(全4巻)」のヒットで半ば「ホラー漫画家」に分類されつつある中山昌亮の短編連作ホラー漫画です。「不安の種」のテイストに近い、1話4~16ページぐらいのショートショートなんだけど、決定的な違いが1つ。この漫画は連作です。時系列も場所も並び方がバラバ...
ヴィクトリアン・アンデッド シャーロックホームズVSゾンビ
- 2012/12/24
- 21:51
あの名探偵ホームズがゾンビと戦うアメリカンコミック「ヴィクトリアン・アンデッド シャーロック・ホームズvsゾンビ」のレビュー。えー、バカな漫画です。話自体は結構よくできてて、そのまま1本の映画にできそうなぐらいキャラもストーリーもしっかりしているし、ワトソンやハドソン夫人やレストレイド警部の他に、原作に3回ぐらいしか出てこないホームズのお兄さんまで出てきて、ファンフィクションとしてはもうバッチリって感...
マーベル・ゾンビーズ/ロバート・カークマン
- 2012/02/13
- 01:27
マーベルのヒーローがゾンビになるアメコミの邦訳版「マーベル・ゾンビーズ」のレビュー。スパイダーマンとかハルクとかキャプテンアメリカがゾンビなんですよゾンビ。空飛んだり変身したりのスーパーパワーはそのままに、人肉大好きなゾンビになってるの。で、このゾンビ達、ゾンビだけど考えて喋ります。ゾンビだから基本食べることしか考えてないし超頭悪いんだけど(「スパイダーマン、家族はどうした?」「MJもおばさんも食べ...
タルタロス劇場/八十八良
- 2012/02/07
- 23:54
ペルソナパロディ四コマ漫画「タルタロス劇場」のレビュー。PS2やPSPで出てるRPG「ペルソナ3」と「ペルソナ4」をネタにしたパロディ四コマ漫画です(だからそのどっちかでも遊んだことなかったら読んでもちっとも面白くないぜ)。昔「ドラクエ四コマ劇場」とかいってエニックスから出てた(今でも出てるのかな)本、あれのペルソナ版みたいな感じです。アンソロジー本ではないので作者は八十八良ひとりです。基本的にはまあゲーム...
山賊ダイアリー/岡本健太郎
- 2012/02/05
- 20:56
猟師漫画「山賊ダイアリー」のレビュー。新人猟師が山でウサギを撃ったり鳩を撃ったり山で迷ったりする漫画。作者の岡本さんは実際に岡山の山奥で猟をしているんだそうで、要は日記漫画なんですね。内容としては、猟の話の他に狩猟免許を取ったときの話なんかもちょこちょこ挟まれたり、捕った鳥や動物を実際に料理して食べた感想なんかも出てきます。これは完全にネタの勝利というか、現代日本で「猟師」というのがまずかなりレア...
ウォーキング・デッド/ロバート・カークマン
- 2011/10/15
- 20:13
ロバート・カークマン原作のアメコミ「ウォーキング・デッド」の邦訳版のレビュー。ちなみにドラマ化もされていて、これの日本版のレンタル&セルDVDソフトも近日リリース予定だ。原作コミックはほぼ月刊ペースでペーパーバックで刊行されていて、半年に1回ぐらいその6話分を1章としてまとめた合本版ペーパーバックが出て、更に年に1回ぐらいのペースで合本版2冊分(+オマケのギャラリー)を1つにまとめたハードカバー版が出ると...
伴天連XX/原作:猪原賽 漫画:横島一
- 2011/05/28
- 20:24
愉快なクトゥルフ神話時代劇漫画「伴天連XX(全3巻)」のレビュー。連載は「ファミ通コミッククリア」という、いわゆるWEB漫画雑誌。伴天連XXはもう連載終了しちゃってるんだけど、第1話は現在も公開中だ。江戸の町に河童が出るって噂が流れて、かわら版屋が噂を追って行ってみたら河童じゃなくて“深きものども”で、そして深きものどもと戦っているのは、左腕にナイトゴーントをくっつけたお侍だった、みたいなところから始まる話...
そんな未来はウソである/桜場コハル
- 2011/04/16
- 23:34
桜庭コハルのマンガ「そんな未来はウソである」のレビュー。既刊1巻。別冊少年マガジンで連載中。タイトルに惹かれて思わず買っちゃったんだけど、これがなかなか良かったのです。ちなみに桜場コハルは日常系ギャグマンガ「みなみけ」の人。主人公は「他人と目が合うとその人の未来がちょっと見える」という女の子、大橋ミツキと、「他人の言葉がウソかどうかわかる」という女の子、佐藤アカネ。そんな超能力者の2人が高校に上がっ...
斬り介とジョニー四百九十九人斬り/榎本俊二
- 2011/01/07
- 23:27
ギャグマンガ界の奇才(ギャグマンガ家自体が奇才の集まり、みたいな所がありますが)榎本俊二の長編漫画「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」のレビュー。江戸とか室町とかそんな感じの時代に、どこかの村の娘が山賊に攫われて、二人組の刀使い(サムライかどうかよくわからないのでこんな表現しますが)が村人の依頼で山賊を叩き斬って娘を助けに行く、みたいな話。全篇に渡ってひたすらチャンバラ(というかほとんど虐殺)が描...
憂国のラスプーチン
- 2010/12/28
- 21:11
漫画「憂国のラスプーチン」のレビュー。原作は佐藤優、脚本は長崎尚志、漫画は伊藤潤二。ビックコミックで連載中。既刊1巻で以下続刊。現代日本を舞台にしたポリティカル・サスペンス漫画。「現代日本を舞台にしたポリティカル・サスペンス」というだけでワクワクしてきます。2002年、一人の外交官が背任容疑で検察に逮捕されるところから物語は始ままります。この外交官を主人公に、検察の取り調べと外交官の回想を交互に描写し...
ヨコハマ買い出し紀行(新装版)/芦奈野ひとし
- 2010/07/08
- 21:54
芦奈野ひとしのマンガ「ヨコハマ買い出し紀行」の新装版のレビュー。全10巻。新装版では連載時にカラーだったページや扉絵が全てフルカラーで収録されているほか、9巻と10巻には外伝的エピソードの「R&P」と「峠」も収録されている。地表の多くが現在進行形で水没しつつあり、それよりも更に速いスピードで人類が減り続けている。そんな世界の話。主人公は「アルファさん」そう呼ばれている。人間そっくりだがロボットで、歳を取...
放課後プレイ/黒咲練導
- 2010/06/11
- 19:40
黒崎練導の4コマ漫画「放課後プレイ」のレビュー。全15話+オマケ1話。4コマなんだけど、1話分の15個ぐらいの4コマ漫画は連作形式で繋がってます。というか、「4コマ形式の1話8ページ漫画」と呼ぶのが妥当でしょうか。登場人物は名もない(おそらく)高校生の彼氏と彼女の2人だけ、舞台は殆ど常に彼氏の部屋、ほぼ人物だけで背景書き込み殆ど無し、という、もんのすごい狭い漫画です。ストーリーもすんごい狭くて、彼氏と彼女が付き...
ベントラーベントラー/野村亮馬
- 2010/04/19
- 02:52
野村亮馬のSF漫画「ベントラーベントラー(今のところ2巻まで出てる)」のレビュー。宇宙人(作中では外星人と呼ぶ)が地球に来たりするようになってる近未来の話。地球人類は現状と同じレベル、未だに月から先へ行けるほどの科学力をもっていなかったりするので、殆どの外星人にはシカトされ一方的に迷惑をかけられるだけだ。主人公のすみちゃんは外星警備課という警察内の組織に所属していて、外星人関係の事件になると出動する...
闇の鶯/諸星大二郎
- 2009/05/04
- 00:04
諸星大二郎の漫画、「闇の鶯」のレビュー。幻想文学の香りが漂う独特の漫画家、諸星大二郎の短編集。不気味でユーモラス、読んでいて不安になるような作風は相変わらずだ。個人的に一番面白かったのは「涸れ川」。不毛の荒野、寂寥感溢れる最後の一コマ。この世界観こそ諸星大二郎ですよ。今回は近刊「バイオの黙示録」のように決まったテーマで短期間に書いた物ではなく、色々な媒体に発表した短編漫画をまとめた物だ。表題作「闇...